最近読ませて頂き、大変「良書」だと思った本を、
今日はご紹介したいと思います。
その本とは、こちら。

「戦後日本人の忘れもの」
この本を書かれたのは、私がこのブログでもよくご紹介している動画、
「たかじんのそこまで言って委員会」にもご出演されている、
台湾出身の金美齢さんです。
日本で生まれ育ち、海外生活経験のない右派の方が書かれた物ではなく、
台湾で生まれ育ち、日本へ留学され、台湾人として日本で暮らした、
そんな金さんだからこそ、日本を買いかぶることなく、
第三者目線で客観的に、日本についての意見をズバット書かれています。
本当に素晴らしい内容で、あっという間に読み終わりました。
もちろん、日本人としては、耳の痛い箇所も数多くあります。
また、全てをそのまま受け入れるには抵抗がある…と思う箇所もあります。
しかし、日本と台湾の歴史や現状を対比させつつ、
大変わかりやすく、日本の将来のために必要なこと、
つまり、今子育て中の親御さんに心して欲しいことが書かれています。
正直、全ての文章をご紹介したいくらい、素晴らしい本なのですが、
ほんの一部ですが、教育に関する箇所で印象に残っている部分をご紹介します。
===========
ある意味で言えば、日本の親は今の時代、
非常に困難なときを迎えていると思う。
なぜならば、「可愛い子には旅をさせよ」ということわざに
代表されるような子育てが出来ない環境にあるからである。
日本は、太平洋戦争で国土が焦土と化すような負け方をしたが、
それ以来、六十年あまりもの間戦争に巻き込まれていない。
そして、アメリカの傘に守られて、軍備の必要がなかったこともあって、
世界有数の経済力も身につけた。
平和で豊かな暮らしを謳歌しているのである。
それは、たしかに素晴らしいことである。
平和で豊かな生活は、人間誰しも望むことであるが、
その望みはなかなか叶わない。
日本はそれを二つとも手に入れたのである。
だから、日本人はその望んでもなかなか得られないものを
得ているのだということを踏まえたうえで、
それにプラス何が出来るかを考えなければいけないだろう。
ところが、それを当たり前のように受け止め、
子どもに対してマイナスになるような教育をしていることが問題なのである。
つまり、危機感が無いから、親の精神は緩みきって生ぬるい状態になっている。
経済的にも問題はない。食べるに困らない、住むにも困らない、
着るものにも困らない、という恵まれた状況のとき、
あとは、子どもを甘やかす方向に行くしかなくなってしまう。
「旅をさせる」どころか、真綿にくるんで外の風にも当てずに育ててしまう。
子どもはどんどんひ弱になっていって、外に出て風にさらされるのはイヤ、
辛いこともイヤ、苦労もイヤということになる。
ときにはイヤなこともあるだろうに、
ちょっとしたことが辛くなって引きこもってしまう。
自分も誰かを傷つけているかもしれないのに、
自分が傷付いたことばかり声高に言い立てる。
人はお互いに傷つけ合って成長し、相手を思いやる気持ちを育てるものである。
傷つけあうことを極度に恐れるから、思いやりの気持ちも育たない。
そのあげく、極端な行動に走る。
「なぜ人を殺してはいけないのか」などというバカなことも言い出す。
前に「親として困難なときを向かえている」と申し上げたのは、
この余裕のある平和の中で自立した子どもを育てることは、
かえって難しいからなのである。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
常識を大切にしないから、現代の子どもたちの暴走もあるのだ。
そういう意味で言えば、国を愛する心だって常識以外の何物でもない。
愛国心を云々すると、すぐに、戦前の軍国主義に戻るのかとか、
天皇制復活かなどと言う人々がいるが、
そうした議論のほうがよほど非常識なのである。
前にも言ったが、国民は、国の保護の下で生きているのだ。
その大前提があれば、自分を保護してくれているものを愛するのは常識だろう。
だから、子どもたちが親や社会から保護されていることを忘れて、
「なぜ人を殺してはいけないの?」などという質問を発すること自体
非常識きわまりないのである。
それを大人たちは大仰に取り上げて、目新しい画期的な質問のように騒ぐ。
バカを言ってはいけない。
人殺しがいけないことは自明の理であって、
なぜなどという質問をすることが非常識なのだ。
それはある意味では、神様が決めたことなのである。
単純に、「いけないからいけないのだ」「神様が決めたことなんだ。
モーゼの十戒にもちゃんと“汝殺すなかれ”と出ているじゃないの」
「仏教でも殺生を戒めているでしょう」「太古の昔からそういうことになっている」
「じゃああなたは殺されたいの?殺されたくないでしょ?
ならば、殺してはいけないに決まっているでしょう」
などと言ってやればいいのである。
常識とは、このように理屈でどうこう言えるものではないのである。
それを、一つ一つ取り上げて、理屈でお説教しようとするからおかしなことになる。
===========
どうですか?とっても読みやすい文章でしょ?
そして、「なるほどな~」と思わされる内容ですよね。
今ご紹介した箇所の他にも、小テーマでご紹介しますと、
・自分の国を愛さない人間を、外国人は誰も信用しない
・国のために何をするかを考えず、国に対して権利だけは主張する
・保護されている身であることは、失ってみないとわからない
・国を否定する人には、国から保護される権利は無い
・親は子どもに、人のありがたみがわかるような教育をすべき
・人に助けられながら生きていると思わない日本人
・「親は子どもの目線に立て」は間違い
・基礎ができていなければ、選択をする能力も養われない
・家のルールを守らせると、社会のルールを守る人間になる
・自分の国を悪く言うのは、世界中で日本人だけ
などなど、他にもたくさんの小テーマがあるのですが、
どれもこれも、大変興味深いテーマですよね。
金さん御自身の経験談や、ご友人や著名人などの具体例なども用いられ、
大変わかりやすく書かれていますので、本当にオススメです。
現在、子育て中の方はもちろん、海外生活経験者、
これから海外へ出て行かれるご予定の方にも、是非読んで頂きたい1冊です。
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今日はご紹介したいと思います。
その本とは、こちら。
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「戦後日本人の忘れもの」
この本を書かれたのは、私がこのブログでもよくご紹介している動画、
「たかじんのそこまで言って委員会」にもご出演されている、
台湾出身の金美齢さんです。
日本で生まれ育ち、海外生活経験のない右派の方が書かれた物ではなく、
台湾で生まれ育ち、日本へ留学され、台湾人として日本で暮らした、
そんな金さんだからこそ、日本を買いかぶることなく、
第三者目線で客観的に、日本についての意見をズバット書かれています。
本当に素晴らしい内容で、あっという間に読み終わりました。
もちろん、日本人としては、耳の痛い箇所も数多くあります。
また、全てをそのまま受け入れるには抵抗がある…と思う箇所もあります。
しかし、日本と台湾の歴史や現状を対比させつつ、
大変わかりやすく、日本の将来のために必要なこと、
つまり、今子育て中の親御さんに心して欲しいことが書かれています。
正直、全ての文章をご紹介したいくらい、素晴らしい本なのですが、
ほんの一部ですが、教育に関する箇所で印象に残っている部分をご紹介します。
===========
ある意味で言えば、日本の親は今の時代、
非常に困難なときを迎えていると思う。
なぜならば、「可愛い子には旅をさせよ」ということわざに
代表されるような子育てが出来ない環境にあるからである。
日本は、太平洋戦争で国土が焦土と化すような負け方をしたが、
それ以来、六十年あまりもの間戦争に巻き込まれていない。
そして、アメリカの傘に守られて、軍備の必要がなかったこともあって、
世界有数の経済力も身につけた。
平和で豊かな暮らしを謳歌しているのである。
それは、たしかに素晴らしいことである。
平和で豊かな生活は、人間誰しも望むことであるが、
その望みはなかなか叶わない。
日本はそれを二つとも手に入れたのである。
だから、日本人はその望んでもなかなか得られないものを
得ているのだということを踏まえたうえで、
それにプラス何が出来るかを考えなければいけないだろう。
ところが、それを当たり前のように受け止め、
子どもに対してマイナスになるような教育をしていることが問題なのである。
つまり、危機感が無いから、親の精神は緩みきって生ぬるい状態になっている。
経済的にも問題はない。食べるに困らない、住むにも困らない、
着るものにも困らない、という恵まれた状況のとき、
あとは、子どもを甘やかす方向に行くしかなくなってしまう。
「旅をさせる」どころか、真綿にくるんで外の風にも当てずに育ててしまう。
子どもはどんどんひ弱になっていって、外に出て風にさらされるのはイヤ、
辛いこともイヤ、苦労もイヤということになる。
ときにはイヤなこともあるだろうに、
ちょっとしたことが辛くなって引きこもってしまう。
自分も誰かを傷つけているかもしれないのに、
自分が傷付いたことばかり声高に言い立てる。
人はお互いに傷つけ合って成長し、相手を思いやる気持ちを育てるものである。
傷つけあうことを極度に恐れるから、思いやりの気持ちも育たない。
そのあげく、極端な行動に走る。
「なぜ人を殺してはいけないのか」などというバカなことも言い出す。
前に「親として困難なときを向かえている」と申し上げたのは、
この余裕のある平和の中で自立した子どもを育てることは、
かえって難しいからなのである。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
常識を大切にしないから、現代の子どもたちの暴走もあるのだ。
そういう意味で言えば、国を愛する心だって常識以外の何物でもない。
愛国心を云々すると、すぐに、戦前の軍国主義に戻るのかとか、
天皇制復活かなどと言う人々がいるが、
そうした議論のほうがよほど非常識なのである。
前にも言ったが、国民は、国の保護の下で生きているのだ。
その大前提があれば、自分を保護してくれているものを愛するのは常識だろう。
だから、子どもたちが親や社会から保護されていることを忘れて、
「なぜ人を殺してはいけないの?」などという質問を発すること自体
非常識きわまりないのである。
それを大人たちは大仰に取り上げて、目新しい画期的な質問のように騒ぐ。
バカを言ってはいけない。
人殺しがいけないことは自明の理であって、
なぜなどという質問をすることが非常識なのだ。
それはある意味では、神様が決めたことなのである。
単純に、「いけないからいけないのだ」「神様が決めたことなんだ。
モーゼの十戒にもちゃんと“汝殺すなかれ”と出ているじゃないの」
「仏教でも殺生を戒めているでしょう」「太古の昔からそういうことになっている」
「じゃああなたは殺されたいの?殺されたくないでしょ?
ならば、殺してはいけないに決まっているでしょう」
などと言ってやればいいのである。
常識とは、このように理屈でどうこう言えるものではないのである。
それを、一つ一つ取り上げて、理屈でお説教しようとするからおかしなことになる。
===========
どうですか?とっても読みやすい文章でしょ?
そして、「なるほどな~」と思わされる内容ですよね。
今ご紹介した箇所の他にも、小テーマでご紹介しますと、
・自分の国を愛さない人間を、外国人は誰も信用しない
・国のために何をするかを考えず、国に対して権利だけは主張する
・保護されている身であることは、失ってみないとわからない
・国を否定する人には、国から保護される権利は無い
・親は子どもに、人のありがたみがわかるような教育をすべき
・人に助けられながら生きていると思わない日本人
・「親は子どもの目線に立て」は間違い
・基礎ができていなければ、選択をする能力も養われない
・家のルールを守らせると、社会のルールを守る人間になる
・自分の国を悪く言うのは、世界中で日本人だけ
などなど、他にもたくさんの小テーマがあるのですが、
どれもこれも、大変興味深いテーマですよね。
金さん御自身の経験談や、ご友人や著名人などの具体例なども用いられ、
大変わかりやすく書かれていますので、本当にオススメです。
現在、子育て中の方はもちろん、海外生活経験者、
これから海外へ出て行かれるご予定の方にも、是非読んで頂きたい1冊です。
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Last Modified : -0001-11-30