「国家の品格」という書籍をご存知でしょうか?
2006年、265万部を超えるベストセラーになったので、
既にお読みになった方も多いかと思います。
著者は、東大理学部を卒業された数学者で、
お茶の水女子大名誉教授の藤原 正彦氏。

私はお恥ずかしながら、先日ようやくこの書籍を読みました。
大変良書だったので、改めてご紹介したいと思います。
正直、出版当時に読むよりも、現在の世界状況、
とりわけ、中国の軍事的台頭を体感している現在にこそ、
多くの方に、再度読んで頂きたいと思える内容でした。
どのような内容なのか、ご存じない方のためにご紹介しますね。
第一章 近代的合理精神の限界
全ての先進国で社会の後輩が進行している。
その原因は、近代のあらゆるイデオロギーの根幹を成す
「近代的合理精神」が限界にぶつかったことにある。
第二章 「論理」だけでは世界が破綻する
「論理を徹底すれば問題が解決できる」という考え方は
誤りである。帝国主義でも共産主義でも資本主義でも例外は無い。
「美しい論理」に内在する四つの欠陥を指摘する。
第三章 自由、平等、民主主義を疑う
自由と平等は欧米が作り上げた「フィクション」である。
民主主義の前提条件、「成熟した国民」は永遠に存在しない。
欧米社会の前提を根底から問う。
第四章 「情緒」と「形」の国、日本
自然への感受性、もののあわれ、懐かしさ、惻隠の情…。
論理偏重の欧米型文明に代わり得る「情緒」や「形」を
重んじた日本型文明の可能性。
第五章 「武士道精神」の復活を
鎌倉武士の「戦いの掟」だった武士道は、
日本人の道徳の中核をなす「武士道精神」へと洗練されてきた。
新渡戸稲造の『武士道』を紐解きながら,その今日性を論じる。
第六章 なぜ「情緒と形」が大事なのか
「情緒と形」の文明は、日本に限定すべきものではない。
そこには世界に通用する普遍性がある。
六つの理由を挙げて説く、「情緒と形」の大切さ。
第七章 国家の品格
日本が目指すべきは「普通の国」ではない。
他の何処とも徹底的に違う「異常な国」だ--。
「天才を生む国家」の条件、「品格ある国家」の指標とは。
という大きな7つのテーマで書かれています。
どうですか? やはり「今」読んでみたい内容ではないでしょうか。
そして、海外で生活しておられる方にも、是非読んで頂きたい内容です。
そうそう、この前ご紹介した金美齢さんの書籍にもありましたが、
「なぜ人を殺してはいけないの?」という疑問について、
この書籍でも書かれていたので、その部分をご紹介したいと思います。
=========
例えば、「人を殺してはいけない」ということだって、
論理では説明できません。
十年ほど前にこんなことがありました。
日教組の教研集会で、傍聴していた高校生が会の最後の方になって、
「先生、何で人を殺しちゃいけないんですか」と質問した。
そこにいた先生たちは、誰一人それを論理的に説明できなかった。
ビックリした文部省が、「人を殺してはいけない論理的理由を
パンフレットに作成中」と新聞に書いてありました。
読んで笑ってしまいました。
人を殺していけない論理的理由なんて何ひとつない。
私に一時間くれれば、人を殺しても良い理由を五十ぐらいは発見できます。
人を殺してはいけない理由も同じくらい見つけられます。
論理的というだけなら、良い理由も悪い理由もいくらでもある。
人を殺していけないのは、「駄目だから駄目」ということに尽きます。
「以上、終わり」です。論理ではありません。
このように、もっとも明らかのように見えることですら、
論理的には説明できないのです。
江戸時代、会津藩に日新館という藩校がありました。
白虎隊も教えを受けていた藩校なのですが、
ここに入る前の師弟に対して「什の掟」というのがありました。
そこにはこう書いてあります。
一つ、年長者の言うことに背いてはなりませぬ
二つ、年長者にはお辞儀をしなければなりませぬ
三つ、虚言を言うことはなりませぬ
四つ、卑怯な振る舞いをしてはなりませぬ
五つ、弱い者いじめてはなりませぬ
六つ、戸外でものを食べてはなりませぬ
七つ、戸外で婦人と言葉を交えてはなりませぬ
武士道精神に深く帰依している私には非常に納得できるものです。
そして、これら七か条の後は、こんな文句で結ばれます。
ならぬものはならぬものです
要するにこれは「問答無用」「いけないことはいけない」と言っている。
これが重要です。全てを論理で説明しようとすることはできない。
だからこそ、「ならぬことはならぬものです」と、価値観を押し付けたのです。
=========
後半部分は、今ちょうどNHKで放送されている大河ドラマ
「八重の桜」でもキャッチフレーズのようになっているようなので、
ご存知の方も多いと思います。(私はドラマを見ていませんが…汗)
2005年に出版された書籍ですが、私が今読んで頂きたいと思う理由の1つに、
大河ドラマを通して、この考え方が身近な存在になっているのでは?との
思いもあって、このタイミングでご紹介したいと思ったわけです。
他にも大変印象に残る記述がありましたので、
また後日、機会を見てご紹介したいと思います。
<オススメ書籍>
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2006年、265万部を超えるベストセラーになったので、
既にお読みになった方も多いかと思います。
著者は、東大理学部を卒業された数学者で、
お茶の水女子大名誉教授の藤原 正彦氏。
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私はお恥ずかしながら、先日ようやくこの書籍を読みました。
大変良書だったので、改めてご紹介したいと思います。
正直、出版当時に読むよりも、現在の世界状況、
とりわけ、中国の軍事的台頭を体感している現在にこそ、
多くの方に、再度読んで頂きたいと思える内容でした。
どのような内容なのか、ご存じない方のためにご紹介しますね。
第一章 近代的合理精神の限界
全ての先進国で社会の後輩が進行している。
その原因は、近代のあらゆるイデオロギーの根幹を成す
「近代的合理精神」が限界にぶつかったことにある。
第二章 「論理」だけでは世界が破綻する
「論理を徹底すれば問題が解決できる」という考え方は
誤りである。帝国主義でも共産主義でも資本主義でも例外は無い。
「美しい論理」に内在する四つの欠陥を指摘する。
第三章 自由、平等、民主主義を疑う
自由と平等は欧米が作り上げた「フィクション」である。
民主主義の前提条件、「成熟した国民」は永遠に存在しない。
欧米社会の前提を根底から問う。
第四章 「情緒」と「形」の国、日本
自然への感受性、もののあわれ、懐かしさ、惻隠の情…。
論理偏重の欧米型文明に代わり得る「情緒」や「形」を
重んじた日本型文明の可能性。
第五章 「武士道精神」の復活を
鎌倉武士の「戦いの掟」だった武士道は、
日本人の道徳の中核をなす「武士道精神」へと洗練されてきた。
新渡戸稲造の『武士道』を紐解きながら,その今日性を論じる。
第六章 なぜ「情緒と形」が大事なのか
「情緒と形」の文明は、日本に限定すべきものではない。
そこには世界に通用する普遍性がある。
六つの理由を挙げて説く、「情緒と形」の大切さ。
第七章 国家の品格
日本が目指すべきは「普通の国」ではない。
他の何処とも徹底的に違う「異常な国」だ--。
「天才を生む国家」の条件、「品格ある国家」の指標とは。
という大きな7つのテーマで書かれています。
どうですか? やはり「今」読んでみたい内容ではないでしょうか。
そして、海外で生活しておられる方にも、是非読んで頂きたい内容です。
そうそう、この前ご紹介した金美齢さんの書籍にもありましたが、
「なぜ人を殺してはいけないの?」という疑問について、
この書籍でも書かれていたので、その部分をご紹介したいと思います。
=========
例えば、「人を殺してはいけない」ということだって、
論理では説明できません。
十年ほど前にこんなことがありました。
日教組の教研集会で、傍聴していた高校生が会の最後の方になって、
「先生、何で人を殺しちゃいけないんですか」と質問した。
そこにいた先生たちは、誰一人それを論理的に説明できなかった。
ビックリした文部省が、「人を殺してはいけない論理的理由を
パンフレットに作成中」と新聞に書いてありました。
読んで笑ってしまいました。
人を殺していけない論理的理由なんて何ひとつない。
私に一時間くれれば、人を殺しても良い理由を五十ぐらいは発見できます。
人を殺してはいけない理由も同じくらい見つけられます。
論理的というだけなら、良い理由も悪い理由もいくらでもある。
人を殺していけないのは、「駄目だから駄目」ということに尽きます。
「以上、終わり」です。論理ではありません。
このように、もっとも明らかのように見えることですら、
論理的には説明できないのです。
江戸時代、会津藩に日新館という藩校がありました。
白虎隊も教えを受けていた藩校なのですが、
ここに入る前の師弟に対して「什の掟」というのがありました。
そこにはこう書いてあります。
一つ、年長者の言うことに背いてはなりませぬ
二つ、年長者にはお辞儀をしなければなりませぬ
三つ、虚言を言うことはなりませぬ
四つ、卑怯な振る舞いをしてはなりませぬ
五つ、弱い者いじめてはなりませぬ
六つ、戸外でものを食べてはなりませぬ
七つ、戸外で婦人と言葉を交えてはなりませぬ
武士道精神に深く帰依している私には非常に納得できるものです。
そして、これら七か条の後は、こんな文句で結ばれます。
ならぬものはならぬものです
要するにこれは「問答無用」「いけないことはいけない」と言っている。
これが重要です。全てを論理で説明しようとすることはできない。
だからこそ、「ならぬことはならぬものです」と、価値観を押し付けたのです。
=========
後半部分は、今ちょうどNHKで放送されている大河ドラマ
「八重の桜」でもキャッチフレーズのようになっているようなので、
ご存知の方も多いと思います。(私はドラマを見ていませんが…汗)
2005年に出版された書籍ですが、私が今読んで頂きたいと思う理由の1つに、
大河ドラマを通して、この考え方が身近な存在になっているのでは?との
思いもあって、このタイミングでご紹介したいと思ったわけです。
他にも大変印象に残る記述がありましたので、
また後日、機会を見てご紹介したいと思います。
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Last Modified : -0001-11-30