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2013-08-02 (Fri) 14:00

チューリップ・ベイビーって、ご存知?

この前、「一度も植民地になったことがない日本」という書籍を、
ご紹介したのですが、同じ著者の物を今回またご紹介したいと思います。

今回ご紹介するのは、こちら。

意外に日本人だけ知らない日本史 (講談社プラスアルファ新書)



またしても、タイトルはちょっと小難しい感じがしますが、
この本も同様に、大変読みやすい内容になっています。
大きな目次だけご紹介しますと…

第1章 意外に知らない、世界に影響を及ぼした日本
第2章 フランスの平等と日本の均等
第3章 日本とフランスの「婚活」
第4章 幸せな国はどこにある?
第5章 世界一のエコ大国だった日本
第6章 お国別、モノに対するこだわりは?
第7章 日本人の感性で世界をもてなそう

という感じです。
今回の本は、先日ご紹介した物に比べると、
オランダ関連の話の割合はちょっと少なめで、
フランス関連の話の方が多めです。
因みに第1章は、オランダに関連する話が色々と書かれています。
最初に書かれているのは、“「チューリップ・ベイビー」って何?”。
第2次世界大戦初期の頃に生まれた言葉だとか。
詳しくは、この本を読んで下さいね。

この本も、海外(特にヨーロッパ)で生活しておられる
日本人の方には、是非1度読んで頂きたいと思える内容でした。
最近は、世界で日本ブームが起きており、
特にフランスでの日本人気は大変なもののようですが、
デュラン・れい子さんが「まえがき」で次のように書かれています。

============ (抜粋開始)

日本は明治時代から、欧米人の指摘で自国の良さをみつけてきたという
歴史があります。例えば浮世絵は画家ゴッホを感動させて
「日本へ行きたい」と言わせましたし、日本美術を高く評価した
アーネスト・フェノロサや、桂離宮を世界に紹介したブルーノ・タウト、
地方に伝わる民話や幽霊話を文学作品にしたラフカディオ・ハーンなど、
日本のすばらしさを海外に紹介した外国人は大勢います。

ーーーーーーーーーーーーー

私は歴史家ではありませんが、長くヨーロッパから日本を見てまいりました。
そして私のまわりの、ごくフツーの外国の人たちが日本をどう見ているのかを
知ることは、私の自分の国を見る目を変えてくれたともいえるのです。
世界が知っているのに、意外に日本人だけが知らない。
そういう事実を日本人が見つけていくのも大切なことではないかと思うのです。

============ (抜粋おわり)

たしかに、日本で生まれ育ち、海外で生活したことのない方には、
世界から評価される日本の良さがわかりにくいかもしれません。
でも、日本を離れて海外で生活したことがおありの方は、
恐らく、これまで全く気付かなかった日本の良さを発見されたという方が、
本当に多くいらっしゃると思います。かく言う私もその1人です。

日本人ならば、やはり母国である日本に自信を持って生きていくことが、
本当に幸せなことだと思うのです。
そのためにはやはり、「日本の素晴らしさ」を発見する、
認識するということが、とても大切だろうと思うのですが、
ずっと日本で暮らしているだけでは、なかなか気付けないのではないでしょうか。

次に、私がこの本を読んで印象的だった内容を、
少し抜粋してご紹介したいと思います。

========== (抜粋開始)

「ところでお前は昔、ベルサイユで行われたパリ講和会議を知っているかい?」
「ええ、名前だけは知っているわ。歴史で習った。
 日本が初めて参加した国際会議でしょ?」
「その通り。そのとき、日本の全権団は“サイレント・パートナー”と 
 呼ばれたという話がある。今、僕たちが日本の提携企業の社員を
 “サイレント・フレンド”とふざけて呼んでいるのは、ここからきているのさ」

ーーーーーーーーーーー

「このとき、日本は重要な提案をしたのです。正確に言えば、
 講和会議の下部組織であった国際連盟規約委員会においてなのですが、
 それまで固まっていた国際連盟規約に、
 人種差別撤廃条項を入れようという提案でした」

ーーーーーーーーーーーー

日本の提案は、フランス、イタリアを初めとする
過半数の支持を得たにもかかわらず、紆余曲折のすえ、
議長のアメリカ大統領ウィルソンが突然、「このような重要事項の決定は
全会一致」を主張したため退けられたのである。

ーーーーーーーーーーーーー

全権団一行は、いわゆる白人先進国のメンバーからは、
「サイレント・パートナー」と呼ばれたという話も伝わっているという。

ーーーーーーーーーーーーー

「サイレント・パートナーとは英米法上の法律用語で、
 日本法で言えば合資会社に相当する会社における、社員の一種を意味します。
 つまり、出資し配当に預かることはできるが、
 会社経営に関与する権限を持たない社員のことなのです」
あわてて私は、頭の中を整理する。
「つまり金は出すが口は出せない、ということですか?」
A氏は肩をすくめて、両手を上げてみせた。
欧米人がよくやる「どうしようもない」というポーズだ。
「この言葉からは、たんに日本が黙っているという意味ではなく、
 欧米側の、実際には国際連盟の運営に参加する権利を日本に与えたくない、
 という悪意あるニュアンスを読むべきでしょう」

ーーーーーーーーーーーーーー

1919年のパリ講和会議で日本全権団が行った「人種差別撤廃」の提案。
この想いは第二次世界大戦後の1945年に発足した
国際連合の憲章第1章に盛り込まれた。

ーーーーーーーーーーーーーー

日本の提案が世界に評価されている事実。そのことを知るだけでも、
現在の私たちは、人種差別を自分たちの問題として受けとめることが
できるのではないだろうか。

============ (抜粋おわり)

この本では、色々なことについて書かれているのですが、
(目次詳細は、前回同様、記事末尾“続きを読む”をクリックして頂けると、
 ご覧になれますので、興味のある方はどうぞ)
中でも一番印象的だったのが、今ご紹介した
「サイレンス・パートナー」という差別用語のくだりでした。

これは、「当時」のこととして書かれてはいますが、
現在でも、なんら変化がないように思えてなりません。
「(お金は出さされるのに)発言できない日本」というのは、
当時も今も変わっていないのではないでしょうか。
このままで良いと思うのか、このままではいけないと思うのか。
そろそろ日本国民が本腰を入れて考えなければならない時期が、
やってきたように思えてなりません。

今回の書籍は、オランダについて書かれている部分は少ないですが、
海外で暮らす日本人として知っておいた方が良いように思われることも
たくさん書かれていたので、是非一度読んでみられては如何でしょうか。




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第1章 意外に知らない、世界に影響を及ぼした日本
 「チューリップ・ベイビー」って何? / 根気強いオランダ人の象徴
 17世紀のチューリップ・バブル /歴史を語り継ぐことの重要性 
 日本の兵隊が来るぞ! / ロシアより強くて残忍な日本人 
 ヨーロッパ人は簡単には許さない / 日本を甘やかしたのはアメリカだ 
 アパルトヘイト反対の闘士の思い / 教科書で習わなかった歴史 
 還暦をすぎて偶然が重なる / 日本の外交はここからはじまった 
 「人種差別撤廃」を提案した日本 / サイレント・パートナーは差別用語? 
 日本の提案が世界に影響を及ぼす / アメリカで話題になった本 
 オバマ当選になぜ泣くの? / アメリカのイメージが次々変わる 
 憲法9条を分かちあう国と地域 / 日本の総理大臣は、誰? 
 総理大臣は国の顔 / 政治にもイメージ戦略を /大統領と首相で役割分担

第2章 フランスの平等と日本の均等
 還暦すぎての〝初体験″ / 友達として招待してくれた
 日本人にはうらやましい関係 / 明るいノーベル賞のニュース 
 なぜいつもイエスなのですか? / 日本の大学も捨てたもんじゃない 
 犬の絵が描けないデザイナー志望 / 「基本のキ」はどこへ行ったのか 
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第3章 日本とフランスの「婚活」
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 フランスの結婚、3つの選択肢 / ソコソコ婚 / 同棲はカップルである証 
 彼女だと思われるのが怖い? / フシダラナ、オンナ? 
 タテマエだけの倫理観 

第4章 幸せな国はどこにある?
 世界一幸福な国は、どこ? / デンマークに憧れるフランス人 
 急いで就職しないデンマーク / 外国へ行かない日本の若者 
 カール・ラガーフェルドの脱税 / フランスの所得税は高い 
 高福祉を求めれば高税率は当たり前 / アーティストを支援するパリ市 
 場所を提供する / 支援することはむずかしい 
 年間30日のヴァカンス / 「ハラキリ」は自殺のこと 

第5章 世界一のエコ大国だった日本
 排泄物が降ってきた昔のパリ / ローマ時代は清潔だった 
 糞尿、大金で買い取ります / 世界に誇るリサイクル・システム 
 江戸時代から「もったいない」 / 人工的でないヨーロッパのエコ 
 なぜ水を溜めるの? / 水の国には水のエコ 

第6章 お国別、モノに対するこだわりは?
 コピーライターの地位 / 30年前のヨーロッパと同じ / 中国人のブランド買い 
 ルイ・ヴィトンとわかるもの / ブランド市場は日本人が支えている  
 ロゴをはずしなさい / キャラ弁に悩むブラジル人の母   
 ディテールにこだわるのは欠点? / フランスに日本の携帯電話がない 
 細かいもの作りを嫌う人もいる 

第7章 日本人の感性で世界をもてなそう
 ハエが嫌うプロヴァンスの色 / グローバル化嫌いのペンキ屋さん 
 70年代のロンドン・パリ・ミラノ / イギリス人アーティストの憂鬱 
 日本文化を真似されては困るのか / 胸を張って真似させてもいいはず 
 墓前で野点 / 寿司はグローバル・スタンダード / マグロに赤ワイン 
 食べるものに国境なし / 「ゆりかごから墓場まで」の国 
 トコロテン方式に看護師が動く / 同じ言葉を話すのなら問題ないが 
 介護スタッフこそグローバリゼーション / 親切は日本人のすばらしいDNA 
 扇千景さんは和服でご登場を / 日本独特の感性で世界をもてなす 


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Last Modified : -0001-11-30