今日も、ケビン・メア氏が書かれた「決断できない日本」から、
印象に残っている箇所をご紹介したいと思います。
前回は、目次と第1章についてご紹介しました。
続く第2章は、メア氏が更迭される原因となった共同通信の報道について、
一切反論できなかったメア氏が、そのいきさつについて詳細に語っています。
もしここに書かれていることが全て事実であるなら、
間違いなくメア氏は「嵌められた」ということになります。
どういった経緯なのかは、是非ご自身でお確かめ下さい。
第3章では、メア氏ご自身のキャリアについて書かれています。
田舎育ちでエリート校出身でもないメア氏が、様々な経験をしながら、
日本人の現奥様と出会い、日本へ来るまでの経緯などもわかります。
21歳で初来日した頃のメア氏の写真が、興味深かったです。
何せ、ヒッピースタイルで、ロン毛ですから。(笑)
空軍で3年勤務されたそうですが、大量破壊兵器やミサイル、
核問題についての知識を深め、その後の安全保障部長を務めた際、
空軍での経験がとても役に立ったんだそう。
経歴詳細については、Wikipediaなどをご参照下さい。
以下、メア氏がこの章で語っている言葉です。
「その国のメンタリティーを深く知るには相応の時間がかかることも確かです。
とりわけ、日本のような極めて複雑な言語を話し、奥深い文化を持つ国を
理解することは一朝一夕でなし得ることではありません。
ですから私は、日本のように重要でかつ複雑な言語と文化を持っている国には、
同じ外交官を幾度となく派遣して、知日家として熟成していく人事政策が
望ましいと思っています」
********
さて、第4章以降が、この本で最も大切なことが書かれている箇所。
「第4章 アメリカは日本を手放さない」では、
私たちが理解しているつもりになっている「日米同盟」について、
分かりやすく説明し、その重要性について書かれています。
少しだけですが、一部をご紹介したいと思います。
=========== (抜粋開始)
言うまでもなく、日本には交戦権を放棄する憲法第9条があり、
日米安保体制は非対称な同盟関係になっています。
つまり、日米安保条約第5条によって、日本の領域が攻撃を受ければ、
アメリカはこれに反応して日本を守ります。
これに対して、アメリカが攻撃されても、日本にはアメリカ防衛の責任がない。
日本に憲法上の制約があることを承知の上で、アメリカは安保条約を結んだのです。
ーーーーーー
安保条約の下でのアメリカの責任は日本を防衛することだけではありません。
第6条の下で極東における国際平和及び安全の維持に寄与することも
アメリカの責任です。
日本の責任はただ1つ、在日米軍に基地を提供することです。
=========== (抜粋終わり)
あまりにも簡単に抜粋しましたが、本の中では「中国から見た日本列島」という
地図を提示しながら、大変分かりやすく日本の防衛について何が重要なのか、
説明して下さっているので、是非ご覧頂ければと思います。
そして、この章でも少し、沖縄問題について触れられていますので、
その箇所を一部抜粋して、ご紹介したいと思います。
=========== (抜粋開始)
(2005年10月「2プラス2」が出した「日米同盟・未来のための変革と再編」について)
「変革」の眼目は…(中略)2番目の柱として、米軍再編によって、
沖縄など基地を抱える地元負担の軽減も盛り込まれました。
「再編」を打ち出したのは、在日米軍のプレゼンスに対する日本国民の支持を
つなぎとめるためでした。基地と周辺住民の摩擦を
できるだけ軽減する努力が必要であることは、われわれも分かっていました。
ーーーーーーー
普天間基地問題では、基地外の滑走路近くに
宜野湾市が建物の建築許可を出した問題もあります。
滑走路近くに小学校もあって、さすがに危険なので、
日本政府も援助して学校の移転を実施しようとしているのですが、
伊波洋一前市長ら反基地派が学校の移転に反対している。
反基地団体はこの小学校を
反基地運動のシンボルに仕立てようとしているようで、
こうした地元政治家の思惑が問題を複雑にしている側面もあるのです。
基地建設のために立ち退きを求められた住民がいるのも事実ですが、
その借地料は日本政府が払っていて、基地が移設されれば、
借地料収入が途絶える微妙な立場の人々もいます。
(略)日本政府は名護市を含めた「北部振興策」の補助金として、
平成12年から21年までで、約1000億円を支出しています。
毎年100億円です。名護市には10年間で275億円。
ですから、名護市だけをとっても、毎年、25、6億円、何にでもつかえる、
いわば掴み金が出ているのです。
=========== (抜粋終わり)
小学校の移転の話については、今回が初耳でしたが、
借地料や補助金などの話は、既に知っていることでした。
10年近く前、主人と沖縄旅行に行ったとき、
海岸をお散歩していた“おじい”に、
海岸べりにあった植物の名前について私が質問をしたとき、
戦争当時のことや、今書かれていた基地にまつわるお金の話を、
おじいから直に聞いていたからです。
そのとき、この“おじい”は、
「沖縄が米軍基地に反対しているように報道されているけれど、
大抵の沖縄人は、米軍基地があってこそ
生活が成り立つことを分かっているから、実は反対なんかしていない。
反対運動をしている奴らは、基地がなくなっても困らない公務員ばかりだ」と、
沖縄人の本音を語ってくれたのです。
この後、この章では沖縄を狙う中国と日本の安全保障について書かれているのですが、
随分長くなってきているので、続きは次回に回したいと思います。
本日は、ここまで。
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印象に残っている箇所をご紹介したいと思います。
前回は、目次と第1章についてご紹介しました。
続く第2章は、メア氏が更迭される原因となった共同通信の報道について、
一切反論できなかったメア氏が、そのいきさつについて詳細に語っています。
もしここに書かれていることが全て事実であるなら、
間違いなくメア氏は「嵌められた」ということになります。
どういった経緯なのかは、是非ご自身でお確かめ下さい。
第3章では、メア氏ご自身のキャリアについて書かれています。
田舎育ちでエリート校出身でもないメア氏が、様々な経験をしながら、
日本人の現奥様と出会い、日本へ来るまでの経緯などもわかります。
21歳で初来日した頃のメア氏の写真が、興味深かったです。
何せ、ヒッピースタイルで、ロン毛ですから。(笑)
空軍で3年勤務されたそうですが、大量破壊兵器やミサイル、
核問題についての知識を深め、その後の安全保障部長を務めた際、
空軍での経験がとても役に立ったんだそう。
経歴詳細については、Wikipediaなどをご参照下さい。
以下、メア氏がこの章で語っている言葉です。
「その国のメンタリティーを深く知るには相応の時間がかかることも確かです。
とりわけ、日本のような極めて複雑な言語を話し、奥深い文化を持つ国を
理解することは一朝一夕でなし得ることではありません。
ですから私は、日本のように重要でかつ複雑な言語と文化を持っている国には、
同じ外交官を幾度となく派遣して、知日家として熟成していく人事政策が
望ましいと思っています」
********
さて、第4章以降が、この本で最も大切なことが書かれている箇所。
「第4章 アメリカは日本を手放さない」では、
私たちが理解しているつもりになっている「日米同盟」について、
分かりやすく説明し、その重要性について書かれています。
少しだけですが、一部をご紹介したいと思います。
=========== (抜粋開始)
言うまでもなく、日本には交戦権を放棄する憲法第9条があり、
日米安保体制は非対称な同盟関係になっています。
つまり、日米安保条約第5条によって、日本の領域が攻撃を受ければ、
アメリカはこれに反応して日本を守ります。
これに対して、アメリカが攻撃されても、日本にはアメリカ防衛の責任がない。
日本に憲法上の制約があることを承知の上で、アメリカは安保条約を結んだのです。
ーーーーーー
安保条約の下でのアメリカの責任は日本を防衛することだけではありません。
第6条の下で極東における国際平和及び安全の維持に寄与することも
アメリカの責任です。
日本の責任はただ1つ、在日米軍に基地を提供することです。
=========== (抜粋終わり)
あまりにも簡単に抜粋しましたが、本の中では「中国から見た日本列島」という
地図を提示しながら、大変分かりやすく日本の防衛について何が重要なのか、
説明して下さっているので、是非ご覧頂ければと思います。
そして、この章でも少し、沖縄問題について触れられていますので、
その箇所を一部抜粋して、ご紹介したいと思います。
=========== (抜粋開始)
(2005年10月「2プラス2」が出した「日米同盟・未来のための変革と再編」について)
「変革」の眼目は…(中略)2番目の柱として、米軍再編によって、
沖縄など基地を抱える地元負担の軽減も盛り込まれました。
「再編」を打ち出したのは、在日米軍のプレゼンスに対する日本国民の支持を
つなぎとめるためでした。基地と周辺住民の摩擦を
できるだけ軽減する努力が必要であることは、われわれも分かっていました。
ーーーーーーー
普天間基地問題では、基地外の滑走路近くに
宜野湾市が建物の建築許可を出した問題もあります。
滑走路近くに小学校もあって、さすがに危険なので、
日本政府も援助して学校の移転を実施しようとしているのですが、
伊波洋一前市長ら反基地派が学校の移転に反対している。
反基地団体はこの小学校を
反基地運動のシンボルに仕立てようとしているようで、
こうした地元政治家の思惑が問題を複雑にしている側面もあるのです。
基地建設のために立ち退きを求められた住民がいるのも事実ですが、
その借地料は日本政府が払っていて、基地が移設されれば、
借地料収入が途絶える微妙な立場の人々もいます。
(略)日本政府は名護市を含めた「北部振興策」の補助金として、
平成12年から21年までで、約1000億円を支出しています。
毎年100億円です。名護市には10年間で275億円。
ですから、名護市だけをとっても、毎年、25、6億円、何にでもつかえる、
いわば掴み金が出ているのです。
=========== (抜粋終わり)
小学校の移転の話については、今回が初耳でしたが、
借地料や補助金などの話は、既に知っていることでした。
10年近く前、主人と沖縄旅行に行ったとき、
海岸をお散歩していた“おじい”に、
海岸べりにあった植物の名前について私が質問をしたとき、
戦争当時のことや、今書かれていた基地にまつわるお金の話を、
おじいから直に聞いていたからです。
そのとき、この“おじい”は、
「沖縄が米軍基地に反対しているように報道されているけれど、
大抵の沖縄人は、米軍基地があってこそ
生活が成り立つことを分かっているから、実は反対なんかしていない。
反対運動をしている奴らは、基地がなくなっても困らない公務員ばかりだ」と、
沖縄人の本音を語ってくれたのです。
この後、この章では沖縄を狙う中国と日本の安全保障について書かれているのですが、
随分長くなってきているので、続きは次回に回したいと思います。
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Last Modified : -0001-11-30