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2013-09-15 (Sun) 08:30

OKINAWA・沖縄

今日は久し振りに、こちらの書籍のご紹介の続きです。

決断できない日本 (文春新書)


ちょっと間が開きましたが、まだご紹介したいことが残っていますので、
是非ご覧頂ければと思います。

この前ご紹介したのは、第4章「アメリカは日本を手放さない」まででした。
私がこのブログで、こういった重いというか、硬いというか、
政治的、歴史的な内容の記事を書くのかというかというと、
以前もお話したように、海外で生活する以上、やはり日本人代表であり、
日本の歴史や政治について「なにも知らない、わらかない」というのは、
絶対に良くないと、自分自身の経験で痛感したからです。

皆さんが楽しんで読めるような、他愛の無い記事ばかりを書いていれば、
たくさんの方に応援して頂けるのかもしれませんが、
私はやはり、自分が「伝えなければ…」と思うことを記事にしたいと思います。
とはいえ、「どうでもええわ」と思われてしまうような、
お気楽ネタのように、気楽に読める記事も書きますけどね。(笑)
これからも、硬軟織り交ぜて書き続けたいと思っています。

さて今日は、第5章 沖縄「反基地」政治家との戦い から。
是非お伝えしたい箇所を抜粋して、ご紹介します。

========== (抜粋開始)

沖縄着任後、最初に私が集中砲火を浴びた発言は、「普天間基地は
特別ではない。飛行場として特に危ないとは思わない」というものでした。

2006年8月、琉球新報のインタビューのなかで口にした“暴言”とされていますが、
もともとの趣旨は「普天間基地が特別危険とは思わないが、皆が懸念しているので、
日米が合意した移設計画を早く実行しましょう」という内容でした。
でも、新聞の見出しはその前段ばかりが歪められた形でつくり出されている。

沖縄では、普天間基地は絶対的に危険な基地であるということが
動かせない事実になってしまっています。
その神話に反駁することは許されない。

まるでヨーロッパで教会が支配していた中世の天動説のようなもので、
誰も逆らえないのが現実です。

でも私は何度でも言います。普天間基地は特別に危険な航空基地ではない。

飛行場の危険度は周辺の人口密度と航空機の発着回数で測られます。
日本の民間空港を見ると、福岡空港は普天間基地周辺よりも
人口密度の高い地域に作られ、2、3分おきに大きな旅客機が発着している。
兵庫県の伊丹空港も似たような状況で、発着回数を比較すると、
普天間基地はこれら日本の民間空港と比べてみても危険度は少ない。
そういうと、民間飛行機と軍用機は違うといった指摘が必ずありますが、
その見方も妥当とは言えません。
というのも軍用機の訓練は他の訓練場で行われており、
普天間基地は主に駐機し整備を行う施設
だからです。
そこが大きく誤解されているように思います。

しかし、話をそこで終わらせるわけには行きません。
普天間基地は特別に危険ではないと思うけれども、
周辺の住民が安全性を心配しているし、騒音の問題もあるから、
1996年の変換合意に沿って移設を実行に移しましょう、と
私は言ったのです。そのどこか問題発言なのでしょうか。

ーーーーー

長年、日米間にくすぶる火種には、「地位協定」改定問題があります。
「地位協定」は、在日米軍が駐留先の日本で如何なる法的地位を有するかを
規定したものですが、残念なことに、日本国民の多くが不平等な協定だと
考えているのではないでしょうか。名前からして日本側に不利なイメージがあります。
しかし、日本との地位協定の中身はむしろ日本側に有利な内容になっています。

アメリカ政府は世界中でざっと100ヶ国と地位協定を結んでいますが、
たとえば、ドイツでは、在独米兵が罪を犯せば地位協定によって、
原則としてアメリカ軍法が適用される。
これに対して日本では、罪を犯した米軍人が公務執行中である場合を除き、
原則として日本の法律が適用され、日本の裁判所が裁く
ことになっていますし、
決して一方的に日本側に負担を強いる内容のものではないのです。

ーーーーー

日米関係が地位協定改正をめぐって紛糾した場合、
中国、北朝鮮、ロシアはその日米のすきま風をどう見るでしょうか。
必ずやその間隙を突いてくるのは間違いないでしょう。

ーーーーー

普天間基地は、太平洋戦争の末期、
沖縄を占領した米軍が住民を追い出して建設したことは確かです。
しかし、滑走路が出来た当時、周囲は農地ばかりでした

その周辺に学校などさまざまな施設の建設を次々に許可したのは
当の宜野湾市ではないですか。
米軍は基地外における施設の建設に口を挟む権利はない
そうした経緯を無視して、普天間基地がアメリカの安全基準に違反している
と言うのは、本末転倒ではないですか、というのが私の反論なのです。

ーーーーー

普天間基地のそばに施設が建設されている。アメリカ政府は危険だから、
対策を講じるように日本側に要請しました。しかし、日本政府は
在日米軍基地の周辺の建築物を規制する法律はないという奇妙な解釈を
通知してきただけなのです、アメリカは、基地の外側にある民間施設の建築を
規制する手段も権利も持っていない。しかしアメリカはそのことで非難され、
普天間基地の危険性ばかりが宣伝されるという不条理な状態が続いているわけです。

ーーーーー

ありったけの地獄を集めたとも形容される沖縄戦を思うと、
二度と戦争は起きて欲しくないと思う。
実は戦争を起こしたくないのは、軍人も同じなのです。
自分たちの命が懸かるわけですから。
しかし、革新系の人たちのように基地をなくして非武装にすれば
戦争が起きないという考えはあり得ない。
戦争を起こさないためには「抑止力」が必要なのです。
十分「抑止力」を持つことによって平和は保てるのです。
その上で、沖縄県民の負担を少しでも軽減したいと思う。

ーーーーー

沖縄が過去ばかりを見て、太平洋戦争の被害者意識ばかりをひきずって
政治を動かそうとするのはよくない。
過去の経緯から複雑な県民感情はよくわかりますが、
沖縄の政治指導者たちがその感情を利用しようとするのはおかしい。
政治はもっと前向きな態度で進む必要があると思います。


ーーーーー

普天間基地移設合意から15年経過し、事態は進展しないどころか、
悪化してしまっている。最近アメリカ政府部内では移設ができないのなら、
移転そのものをやめてしまえばいいという考えの持ち主が急速に増えている。
移転が出来ないのならば、普天間航空基地は現状のままで続けるしか選択肢はない。
普天間移設がまだ可能であるかのように振る舞うのは、
混乱が長引くだけで、尚たちが悪い。
それだったら、思い切って移設をあきらめ、普天間基地を
塩漬けにしてしまった方がましだ、という意見が目立ってきているのです。
それが困るというのなら、日本政府は石にかじりついてでも、という
不退転の決意を持って普天間基地の辺野古移転を実行に移さなければなりません。

========== (抜粋終わり)


この章を読み終えての感想は、
これまでの経緯をきちんと学ぼうとすらせず、
マスコミからの一方的な報道を鵜呑みにし、
現状だけを見て意見を言うのは、恐らく違うのではないかということ。
多角的な視点から物事を見、感情論でモノを言うのではなく、
国家的視野に立ち、全体を見る目を養うことが大切なのではないでしょうか。

沖縄に住んでいない国民は、ついついテレビや新聞報道が、
物ごとのほんの一部しか伝えていないことを忘れてしまい、
すぐに感情でモノを言ってしまいがちですが、
常に冷静に情報を精査する必要があるのでしょうね。

この書籍のご紹介は、あと1回だけ記事にさせて頂きます。
少しかたい話題ではありますが、是非知っておいて頂きたいので…。




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