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2013-09-24 (Tue) 12:00

図説◆オランダの歴史

先日、こんな本を図書館で借りてきました。

図説 オランダの歴史 (ふくろうの本/世界の歴史)


九州ほどの大きさの小国でありながら、海洋国家として世界の海を席巻し、
大国と対等に戦ってきたオランダの歴史を多数図版とともに解説。
日本とも関わりの深いこの国を知る決定版通史。


皆さんはこちらの本、ご存知でしょうか?
2012年4月に発売された、わりと新しい本です。

在蘭中、正直暇を持て余すことが多かったので、(汗)
この本をオランダへ持って行けたら良かったのに…と
思わされる内容でした。
(因みに私が帰国したのは、2011年1月末。…涙)

たくさんの図や写真が採用されており、
紀元前のオランダから現代に至るまでの「オランダの歴史」を理解するための、
大変よい教材になると思われる本になっています。

この本の作者である佐藤弘幸氏は、東京外国語大学名誉教授で、
専攻はオランダ語・オランダ史なのだそうです。

内容を少しご紹介しますと…
1章 水と戦い、水と共存する国民
2章 古代ローマからフランク王国へ
3章 中世のオランダ
4章 八十年戦争からオランダ共和国の誕生へ
5章 黄金時代のオランダ
6章 黄金時代の経済と文化
7章 衰退の一八世紀からネーデルラント王国の成立へ
8章 一九世紀以降の近代国家への歩み
9章 二〇世紀のオランダ
…という感じになっています。

なぜ、この本をお勧めしているのかというと、
オランダで暮らすのであれば、やはりその国の歴史を知っておくことは、
大きな意味があると思うからです。
特に、中世から黄金期の歴史に関する知識を増やすことは、
オランダにたくさん存在している数々の博物館・美術館を見学する際、
展示してある作品を鑑賞するのに、とても役に立ってくれると思います。

オランダといえば、東インド会社の栄光にばかり目が行きがちですが、
西インド会社が行っていた奴隷貿易などについても紹介してありますし、
現在のオランダ王室が、どういった経緯で成立したのかについても、
詳細を知ることが出来、大変興味深く読むことが出来ました。

記述のなかで一番印象に残ったのは、オランダの日本への宣戦布告。
少し、ご紹介したいと思います。

====== (抜粋開始)

オランダ本国はドイツに占領され、
ロンドンに亡命政府を維持している状態であったのに、
オランダはアジアではむしろ積極的に戦争に打って出た。
1941年12月8日未明、日本海軍がハワイ真珠湾を奇襲攻撃して、
太平洋戦争が始まったその日の午後8時(日本時間)、
つまり真珠湾攻撃からわずか4時間ほど後に、
植民地の最高責任者であるオランダ領東インド総督は
現地のラジオを通じて日本に宣戦布告をした。
もちろんこれは総督が独断で行ったことではなく、
ロンドンの亡命政府の承認も得ていた。
これに先立ち総督は、当時植民地に滞在していた約2000人の
日本人を拘束して倉庫に収容し、日本の外交官をもホテルに軟禁した。
オランダ政府が正式に外交ルートで日本政府に宣戦布告を通告したのは
12月10日午後である。12日からはオランダ植民地軍は潜水艦を使って
日本船への攻撃を始めた。

これに対して日本がオランダに宣戦布告をしたのは翌1942年1月12日で、
オランダよりも約1ヵ月後のことである。
その前日から日本軍はオランダ植民地への攻撃を開始していた。
こうして両国は戦争状態に入ったが、太平洋戦争で日本に対する
宣戦布告の一番乗りは奇襲攻撃を受けたアメリカやイギリスではなく、
それとは関係のなかったオランダで、対応は驚くほど早かった。
はっきりしていることは、日本がオランダに対して先に戦争を仕掛けたのではなく、
オランダのほうからであったということである。

ーーーーー

オランダ人の兵士や民間人はそのほとんどが、日本の敗戦まで強制収容所に入れられ、
数万人ともいう犠牲者が出た。積極的に戦争に打って出た代償は小さくなかった。

====== (抜粋終わり)

こんな事実、私は全く知りませんでした。
皆さんは、ご存知でしたか?

とはいえ、20世紀のオランダについて書かれているのは、ほんの15ページほど。
大半は、オランダという国がどのような歴史に翻弄され、いまのような形になったのか。
あくまでも、「オランダの歴史」全体を捉えるのに大変よい本です。
同時に、日本の歴史が如何に稀有なものであるのか、よくわかりました。(笑)

「読み物として面白い」というものではありませんが、
オランダの歴史について知っておきたいと思う方には、オススメできる1冊です。
これからオランダで生活される方、いまオランダで生活しているけれど
オランダの歴史についてはほとんど知識のない方は、是非読んでみて下さいね。




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