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2014-05-14 (Wed) 16:30

実験的祈り

先日、こんな本を読みました。

人生の収穫


曽野綾子さんのご経験に基づくエッセイ集という感じでしたが、
さらっと読めて為になる1冊だと思いました。

さて、今日はその中から、
印象的だった次の箇所をご紹介したいと思います。

==========

実験的祈り~「人権」という貧しい言葉


この頃、時々奇妙な言葉を聞く。
日本語として成り立たない文章なのである。
最近出会ったのは、
「子供たちに人間としての誇りを持たせるには、どうしたらいいでしょう」
というものであった。それで私は、
「人間であるというだけで、別に誇りは持てないでしょう」
と答えたのである。

自分で努力したから、カエルやバッタに生まれる代わりに人間に生まれた、
というのなら誇りを持ってもいい。
しかし人間であるというだけで誇りを持つ理由などない、と私は思うのである。

しかしこういう言葉が不用意に出る背景は想像はできる。
それは人権という言葉があるからなのである。
最近私は、人権という言葉ほど、貧しい感じがして嫌いなものはない。
人は誰でもが幸福になるようにお互いに助け合うべきだ。それは当然過ぎることだ。
しかしそこに働く基本的な思いは愛なのであって、
人権などという言葉で要求するものではない。
もちろん基本の部分は制度として「人権」を確保すればいい。
しかし人権は「インスタント食品」みたいなもので、
まあ生きるためには仕方がないが、温かい人情のこもった家庭の味ではない。

昔、私は目の病気をした。
私は生まれつきの近視で、眼底が月世界の光景みたいに荒れているらしい。
素質的にはまことにお粗末な出来の眼なのである。
しかし手術の結果、私は4万人に1人という素晴らしい視力を得た。

私は手術をしてくださった医師に深く感謝した。
私の眼の回復のために祈ってくださった友人知人にも深く感謝した。
実はこの点に関係して最近面白い話を聞いたのだ。
よく患者群を2つに分けて、1つのグループには本物の「試薬」、
別のグループには薬ではない「偽薬」を飲ませる実験がある。
それと同じように、2つのグループの1つの方のためだけに
誰かが特に真剣に祈る、という実験をしたことがあるのだという。
すると祈られたグループの方が治癒率が高かったというのだ。

こういう実験は冒涜だ、という感じもするし、今後も簡単に繰り返して
「遊ぶ」べきものとは思われないが、私は眼が治った時、
それが100パーセント自分の力でないことに感動した。
学校の試験なら、自分が勉強した努力と運が半々だ。
知っている箇所が試験問題に出たという偶然は運である。
しかし眼が治ったことについては私の努力は0パーセントだった。
だから、その感謝のために私は後半生に
いささかご恩返しをしたいと思うようになった。

「人間に生まれただけで誇りを持つ」という無意味な言葉が
うっかり出ないような教育は必要だ。

===========

如何ですか? さらっと読めてしまうでしょう?
確かに、「人間としての誇り」なんて言われても、私もピンときません。(汗)
皆さんは、どのように感じられたでしょうか。

他にもご紹介したいところがありましたので、また数回に分けてご紹介します。




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Last Modified : 2015-04-13