オランダ生活お役立ち情報~庶民的生活~

約1000記事にも及ぶオランダ関連記事を掲載しています。詳しくは、右の列「カテゴリ」をご覧下さい♪
Top Page › 本のご紹介 › いつまでもアメリカが守ってくれると思うなよ
2015-01-06 (Tue) 09:00

いつまでもアメリカが守ってくれると思うなよ

お正月休み、のんびりとお過ごしでしょうか?
家族みんなで楽しくお過ごしの方もおられれば、
せっかくの休みだからこそ、取り溜めた録画を見たり、
本を読んだりと、色々なことをしてお過ごしだと思います。

私は以前と変わらず、結構な勢いでたくさんの本を読んでいるのですが、
先日、結構面白い本を読んだので、ご紹介したいと思います。

その本とは、こちら。

いつまでもアメリカが守ってくれると思うなよ (幻冬舎新書)



新書って、数時間で読み切れてしまうので、
時間のない人にはもってこいのボリュームの本だと思うのですが、
私もこの種類の本は、よく借りてきて読んでいます。

著者は、元々毎日新聞社に入社し、その後各国で特派員をした後、産経新聞入社。
長年、アメリカでの駐在を経験し、アメリカの政治を直に見てきた古森 義久氏。

amazonで、この書籍の紹介文がどうなっているかというと…

アメリカはとうに
盟主の座から
下りている――

長年のアメリカ・ウォッチャーが、日本人だけが気付いていない真実を明らかに。

自由と民主主義の旗手、アメリカに異変が起きている。
初の黒人大統領オバマは、軍事力を忌避し、国防予算を削減させ、
世界の盟主としてのリーダーシップの発揮をためらう。
消極外交はアジア政策にも及び、「日本が第三国から攻撃されれば、
アメリカが必ず守る」は、もはや夢物語だ。
北朝鮮を始めとする各国で核武装化が進む中、
アメリカらしさを放棄したオバマ政権と、日本はどう付き合うべきか。
長年のアメリカ・ウォッチャーが緊急警告。

■リビアにもシリアにも介入しない、逃げの外交
■中東・北アフリカ全域でパワーを喪失
■ミサイル防衛政策に反対し、国防予算は800億ドルを削減
■対中国宥和政策をとり、尖閣問題には中立を保つ
■中国や北朝鮮が日本を核攻撃しても、手を打たない

オバマのアメリカは、日本の同盟国のアメリカではない。

…とあります。皆さんは、興味を持たれましたでしょうか?

さて、私が本文で印象に残った箇所をご紹介したいと思います。

==========

第1章 リーダーシップは嫌い
第2章 軍事力軽視
第3章 日米同盟が変わる
第4章 アメリカが裂ける
第5章 分断アメリカはどこへ


以下、第4章から抜粋

オバマ大統領の政治理念が社会主義とまでは行かなくても、
リベラリズムであることはだれも否定しないだろう。
そのリベラリズムに対抗するのが保守主義(コンサーバティズム)である。
アメリカの政治では近年は民主党がリベラル志向、
共和党が保守主義志向をみせてきた。
特に大統領選挙では年来、その両党のイデオロギーの差ははっきりと示される。

~~~~~~
リベラリズムも保守主義も、基本は政府が国民をどう統治するかの考え方である。
現実の民主主義の政治では国民がどのような当地を目指す政権を選ぶかが、
イデオロギーの選択となる。

リベラルも保守も、日本での意味とはかなり異なる部分もある。
アメリカでは、よくリベラリズムは「大きな政府」、
保守主義は「小さな政府」とも評される。
国民に対する政府の役割のあり方の違いを指すわけだ。

リベラリズムは政府が国民の活動にできるだけ多く介入し、
支援し、管理すべきだという思考だといえる。
経済活動でも社会福祉でも、政府の規制や補助が大きいほうがよい。
産業分野でも政府が直接に関与する。産業の帰省を厳しくする。
福祉でも貧しい層、高齢の層、病んだ層などへの政府支援はできるだけ多くする。
政府ができるだけ多く国民の世話をするというイデオロギーだともいえる。

リベラリズムは弱者や貧者への思いやりに重点をおき、
その救済には国民が選んだ政府が責任をもってあたるという骨子だともいえよう。
その結果、一般国民への税金は高くなる。

経済でも特定の産業分野では政府が直接に生産の活動に関与する。
景気の回復でも公共事業を増大して、刺激を図る。

こうした思考のリベラリズムは人間の性悪説に拠っているともいえそうだ。
人間は集団でも個人でも、放置して、自由にさせておくと、
結局はよい方向に動かない。
人間の「情」に駆られる動きは
「公」や「理」で機能する政府の管理がないと、
暴走や混乱へと向かいかねない。
だから「大きな政府」が必要だというわけである。
個人よりも集団の機能を重視しがちにもなる。
この考え方をずっと推し進めていくと、
社会主義や共産主義にまでいたることになる。

社会問題でもアメリカの憲法で個人に保持が認められている銃砲に対しては
リベラル派はより多くの規制を求める。
逆に同性愛や妊娠中絶となると、自由を主張する。

以上のような考え方がリベラリズムだといえる。



以下、第5章から抜粋

民主主義や市民社会の国家では当然、
個人の平等という原則が必要不可欠の基盤となる。
だが同じ平等といっても、「富の再配分」を重視するリベラル思考では、
できるだけ多くの人間が活動の終着点で平等になることを求める。
国民のそれぞれがやがてたどり着く生活の確定の時点では、
貧富の差も少なく、みんなが同じような水準の平等を保つことが必要だとする。
いわば結果の平等である。

一方、保守主義では同じ暴動でも出発点での平等、
そして機会の平等こそが重要だと説く。
個々人が平等な地点から平等な条件でスタートしても、
それ以後の競争のプロセスでは個人の努力や能力の差が出て
優劣がつくのはしかたがない、とする。
ゴールの地点で不平等な結果が出ても、自由な競争の結果としては自然だとする。

アメリカという国家の本来のあり方からすれば、
後者の平等のほうがより自然ということになろう。
しかしオバマ大統領は明らかにその「自由で平等な競争の結果の不平等」までも
是正しようとする構えなのである。


まとめとして から

オバマ政権は明らかに新しい概念での国際安全保障や
同盟政策を進めようとしているのだといえよう。
我が日本にもその新しい流れから起こりうる最悪の事態をも想定し、
危機に備える姿勢が欠かせないのである。

==========

この本のタイトルは、ここ数年、私が心に抱いていた考えと同じで、
とても興味を持って、あっという間に読み終わりました。

日本は平和ボケが余りに長すぎたため、国民が政治に対してあまり関心がなく、
正直、世界の現状を把握できていない人が多すぎるように思います。
是非、この1冊、皆さんに読んで頂きたいと思います!!



~~あなたのクリックが、元気の源です!~~、
この2つのバナーを1回ずつ押して下さると、更新の励みになります♪
   ↓↓↓↓↓↓↓↓ 
 にほんブログ村 海外生活ブログ オランダ情報へ ← オランダのブログがいっぱい!
  ← ヨーロッパのブログがたくさん


関連記事
Last Modified : 2015-04-13