皆さんもご存知かと思いますが、
今年の信州大学の入学式において、
学長がなさった挨拶が話題になっています。
全文を発見しましたので、一部抜粋してご紹介したいと思います。
=======
ところで、新入生の皆様は、本日、
大学受験から解き放たれたことになりましたが、
もう勉強はしなくて良いなどとは考えていませんよね。
今までは、皆様は正解のある問題を解くことに終始していました。
知識の量を試されていました。
世の中では、正解のない問題を解かなければなりません。
誰も考えたことのないことを考えるという、知識の質を問われることになります。
さらに、世界の状況は変化が大きく、
スピードも速く、ICTの進歩で一気にグローバル化します。
大学院入学生にも、是非聞いて頂きたいのですが、
日本が今後とも活力ある社会を維持し、世界へ積極的に貢献していくためには、
科学、技術、文化のいずれの分野でも独創性や個性を発揮することが重要となります。
横並びの発想では問題を解決できません。
皆様は、もしかしたら、個性の発掘に没頭する「自分探し」をしませんでしたか。
また、これからしようと思っていないですよね。
若い時の自分探しは勧められません。
特に、解剖学者の養老孟司さんは、
「個性は徹底的に真似をすることから生まれる」とまでおっしゃられています。
伝統芸能の世界に見られる、師匠と弟子の個性の違いを指摘されてのことです。
個性を発揮するとは、なにか特別なことをするのではなく、
問題や課題に対して、常に「自分で考えること」を習慣づける、
決して「考えること」から逃げないことです。
自分で考えると他人と違う考えになることが多くなり、
個性が出てきます、豊かで創造的な発想となります。
学生で言うと、普段の勉強を真剣に取組むこと、
そして身につける「知識の量」を主とするのではなく、
「知識の質」すなわち自ら探求的に考える能力を育てることが大切となります。
(略)
創造性を育てるうえで、特に、心がけなければならないことは、
時間的、心理的な「ゆとり」を持つこと、ものごとにとらわれ過ぎないこと、
豊か過ぎないこと、飽食でないことなどが挙げられます。
自らで考えることにじっくり時間をかけること、
そして時間的にも心理的にもゆったりとすることが最も大切となります。
子供の頃をちょっと思い出して下さい。
子供の頃は、例えば、夏休みがゆっくり過ぎていたと感じませんか。
大人になると、忙しさで、時間は走馬灯のように速く過ぎていきます。
脳科学者のDavid Eagleman(デイウィッド イーグルマン)さんは
「記憶が詳細なほど、その瞬間は長く感じられる。
しかし、周りの世界が見慣れたものになってくると、
脳が取り込む情報量は少なくて済み、
時間が速く過ぎ去っていくように感じられる」と言っています。
自分の時間を有効に使うために、自力で時の流れを遅くする必要があります。
そのために五つの方策が提案されていることは良く知られています。
一、学び続けること。新しい経験が得られて、時間感覚がゆっくりとなる。
二、新しい場所を訪ねる。定期的に新しい環境に脳をさらす。
三、新しい人に会う。他人とのコミュニケーションは脳を刺激する。
四、新しいことを始める。新しい活動への挑戦。
五、感動を多くする。
(略)
残念なことですが、昨今、この信州でもモノやサービスが溢れ始めました。
その代表例は、携帯電話です。
アニメやゲームなどいくらでも無為に時間を潰せる機会が増えています。
スマホ依存症は知性、個性、独創性にとって毒以外の何物でもありません。
スマホの「見慣れた世界」にいると、脳の取り込み情報は低下し、
時間が速く過ぎ去ってしまいます。
「スマホやめますか、それとも信大生やめますか」
スイッチを切って、本を読みましょう。友達と話をしましょう。
そして、自分で考えることを習慣づけましょう。
自分の持つ知識を総動員して、ものごとを根本から考え、
全力で行動することが、独創性豊かな信大生を育てます。
=======
なんとも、本当に素晴らしい言葉の数々ではありませんか!
ちょうど、皆様にご紹介しようと思っていたある本の内容とも通じるものがあり、
これは是非、皆さんにお伝えしなくては!と、上記の部分をご紹介しました。
学長は、スマホがいけない…ということをおっしゃっているのではなく、
スマホなどに依存してしまうことに問題を感じておられるのだと思います。
要するに、「自律(自分自身をコントロールする)」が
必要とおっしゃりたいのでしょう。
心穏やかに、心にゆとりを持たなければ、
大学生だからこそ経験できるたくさんのことを、
経験しないままに終わってしまうのではないか…と、
学生たちを本当に心配しておられるのだと思います。
実際、私自身、テレビを見なくなってからというもの、
本当に心が情報に振り回されなくなったおかげで、
読書に費やす時間も更に増えましたし、毎日穏やかに暮らせるようになりました。
「情報」は有難いものですし、大変便利なものですが、
それに心が振り回されてしまわないように…と、
現実社会よりもネット社会に浸っている現状を危惧しておられるのでしょう。
私自身の大学時代を振り返ってみても、
同じアパートで暮らす仲間たちと、
朝まで哲学的な議論を繰り返したことがありました。
現在の日本の在りようについて、現在の教育の問題点について、
若者たちの物の見方、考え方について…などなど、
様々なことについて、深夜に討論をしていたことを思い出します。
こういった話をするためには、やはり日頃から自分と向き合い、
物事を深く考える癖が付いていないと、しんどいかもしれません。
大学時代は、受験戦争からようやく開放され、
いよいよ、自分自身と向き合うための貴重な時間となります。
「自分で考える」「ものではなく、人と接する」
これらは、本当に大切なことだと痛感しています。
大学生活を始めようとしている新大学生たちに向けた、
本当に心のこもった素晴らしい“学長あいさつ”だと思いました。
皆さんは、どのようにお感じになったでしょうか。
~~あなたのクリックが、元気の源です!~~
この2つのバナーを1回ずつ押して下さると、更新の励みになります♪
↓↓↓↓↓↓↓↓
← オランダのブログがいっぱい!
← ヨーロッパのブログがたくさん

今年の信州大学の入学式において、
学長がなさった挨拶が話題になっています。
全文を発見しましたので、一部抜粋してご紹介したいと思います。
=======
ところで、新入生の皆様は、本日、
大学受験から解き放たれたことになりましたが、
もう勉強はしなくて良いなどとは考えていませんよね。
今までは、皆様は正解のある問題を解くことに終始していました。
知識の量を試されていました。
世の中では、正解のない問題を解かなければなりません。
誰も考えたことのないことを考えるという、知識の質を問われることになります。
さらに、世界の状況は変化が大きく、
スピードも速く、ICTの進歩で一気にグローバル化します。
大学院入学生にも、是非聞いて頂きたいのですが、
日本が今後とも活力ある社会を維持し、世界へ積極的に貢献していくためには、
科学、技術、文化のいずれの分野でも独創性や個性を発揮することが重要となります。
横並びの発想では問題を解決できません。
皆様は、もしかしたら、個性の発掘に没頭する「自分探し」をしませんでしたか。
また、これからしようと思っていないですよね。
若い時の自分探しは勧められません。
特に、解剖学者の養老孟司さんは、
「個性は徹底的に真似をすることから生まれる」とまでおっしゃられています。
伝統芸能の世界に見られる、師匠と弟子の個性の違いを指摘されてのことです。
個性を発揮するとは、なにか特別なことをするのではなく、
問題や課題に対して、常に「自分で考えること」を習慣づける、
決して「考えること」から逃げないことです。
自分で考えると他人と違う考えになることが多くなり、
個性が出てきます、豊かで創造的な発想となります。
学生で言うと、普段の勉強を真剣に取組むこと、
そして身につける「知識の量」を主とするのではなく、
「知識の質」すなわち自ら探求的に考える能力を育てることが大切となります。
(略)
創造性を育てるうえで、特に、心がけなければならないことは、
時間的、心理的な「ゆとり」を持つこと、ものごとにとらわれ過ぎないこと、
豊か過ぎないこと、飽食でないことなどが挙げられます。
自らで考えることにじっくり時間をかけること、
そして時間的にも心理的にもゆったりとすることが最も大切となります。
子供の頃をちょっと思い出して下さい。
子供の頃は、例えば、夏休みがゆっくり過ぎていたと感じませんか。
大人になると、忙しさで、時間は走馬灯のように速く過ぎていきます。
脳科学者のDavid Eagleman(デイウィッド イーグルマン)さんは
「記憶が詳細なほど、その瞬間は長く感じられる。
しかし、周りの世界が見慣れたものになってくると、
脳が取り込む情報量は少なくて済み、
時間が速く過ぎ去っていくように感じられる」と言っています。
自分の時間を有効に使うために、自力で時の流れを遅くする必要があります。
そのために五つの方策が提案されていることは良く知られています。
一、学び続けること。新しい経験が得られて、時間感覚がゆっくりとなる。
二、新しい場所を訪ねる。定期的に新しい環境に脳をさらす。
三、新しい人に会う。他人とのコミュニケーションは脳を刺激する。
四、新しいことを始める。新しい活動への挑戦。
五、感動を多くする。
(略)
残念なことですが、昨今、この信州でもモノやサービスが溢れ始めました。
その代表例は、携帯電話です。
アニメやゲームなどいくらでも無為に時間を潰せる機会が増えています。
スマホ依存症は知性、個性、独創性にとって毒以外の何物でもありません。
スマホの「見慣れた世界」にいると、脳の取り込み情報は低下し、
時間が速く過ぎ去ってしまいます。
「スマホやめますか、それとも信大生やめますか」
スイッチを切って、本を読みましょう。友達と話をしましょう。
そして、自分で考えることを習慣づけましょう。
自分の持つ知識を総動員して、ものごとを根本から考え、
全力で行動することが、独創性豊かな信大生を育てます。
=======
なんとも、本当に素晴らしい言葉の数々ではありませんか!
ちょうど、皆様にご紹介しようと思っていたある本の内容とも通じるものがあり、
これは是非、皆さんにお伝えしなくては!と、上記の部分をご紹介しました。
学長は、スマホがいけない…ということをおっしゃっているのではなく、
スマホなどに依存してしまうことに問題を感じておられるのだと思います。
要するに、「自律(自分自身をコントロールする)」が
必要とおっしゃりたいのでしょう。
心穏やかに、心にゆとりを持たなければ、
大学生だからこそ経験できるたくさんのことを、
経験しないままに終わってしまうのではないか…と、
学生たちを本当に心配しておられるのだと思います。
実際、私自身、テレビを見なくなってからというもの、
本当に心が情報に振り回されなくなったおかげで、
読書に費やす時間も更に増えましたし、毎日穏やかに暮らせるようになりました。
「情報」は有難いものですし、大変便利なものですが、
それに心が振り回されてしまわないように…と、
現実社会よりもネット社会に浸っている現状を危惧しておられるのでしょう。
私自身の大学時代を振り返ってみても、
同じアパートで暮らす仲間たちと、
朝まで哲学的な議論を繰り返したことがありました。
現在の日本の在りようについて、現在の教育の問題点について、
若者たちの物の見方、考え方について…などなど、
様々なことについて、深夜に討論をしていたことを思い出します。
こういった話をするためには、やはり日頃から自分と向き合い、
物事を深く考える癖が付いていないと、しんどいかもしれません。
大学時代は、受験戦争からようやく開放され、
いよいよ、自分自身と向き合うための貴重な時間となります。
「自分で考える」「ものではなく、人と接する」
これらは、本当に大切なことだと痛感しています。
大学生活を始めようとしている新大学生たちに向けた、
本当に心のこもった素晴らしい“学長あいさつ”だと思いました。
皆さんは、どのようにお感じになったでしょうか。
~~あなたのクリックが、元気の源です!~~
この2つのバナーを1回ずつ押して下さると、更新の励みになります♪
↓↓↓↓↓↓↓↓



- 関連記事
-
-
幼年時代
-
また、泣いてしまった…
-
信州大学学長の言葉
-
天皇皇后両陛下のパラオ訪問
-
最後のメッセージ
-
Last Modified : 2015-04-13