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Top Page › 本のご紹介 › 孤独のチカラーその1
2015-04-10 (Fri) 12:00

孤独のチカラーその1

テレビでよく拝見している、
明治大学文学部教授でいらっしゃる齋藤 孝さん。
年齢よりも大変お若く見える、ちょっとお声が高めの先生です。(笑)
この先生、とてもたくさんの本を書いておられるのですが、
これまで1冊も読んだことがありませんでした。

この前、図書館でタイトルに興味を持って借りてきたのがこちらの本。

孤独のチカラ


私がこれまで実践してきたことや感じていたことと重なる部分も多く、
共感しながらあっという間に読み終えました。

是非皆様にもご紹介したい!という気持ちが大きく、
今回と次回2回に分けて、印象的だった箇所をご紹介したいと思います。

===========

現代人は孤独を非常に恐れる。
その反動なのか、<友達がいないと不安だ症候群>とでも言いたいほど、
人とつるみたがる。
実際、「友達がいない」と言うと、
ほとんど人格破綻者のように扱われる世の中である。
友達がいない状態があまりに怖いために、
本来付き合わなくてもいい相手とずっと付き合ってしまう人は多いのではないか。
それが居心地がいいというなら、それも一つの生き方だ。
だが、本心では満足していないのに、一人でいることの意味を
ポジティブにとらえることができなくて不本意な時間を過ごしているなら、
その膨大な無為は人生の意味を薄めてしまうことに等しい。

勉強がつらいのは、孤独のなかでやるものだからという一面もある。
問題集を解くのも、本を読むのも、その時間は人は孤独になる。
しかし、孤独によってしか効率や生産性を高められないのが
勉強や読書といった行為である。
そのつかの間の孤独にも耐えられないと、テレビやラジオ、
好きな音楽などを流しっぱなしにして、
ながらで気を紛らわすことになり、得るものは少ない。
特にテレビは、テレビに出ている人たちが
友達であるかのように感じる空間を作り出す。
「○○がこの間こんなことをいっていたよね」「△△がすごかったんだ」と、
有名人たちと本当に親しいかのような口を利く。
そういう話題を身近な友達同士ですれば、
まるで自分がその仲間入りをしている錯覚を起こし、
その場では孤独は紛れる。
これでは深く掘り下げるエネルギーにつながらない。

現在のすさまじいブランドブームも、みんなに倣えの風潮が強まった結果だ。
他の人も欲しがっている、だから自分も欲しい。
<ブランド戦略>という、企業が仕掛けた手段的な欲望に乗って、
孤独をごまかしている。
少なくとも、目先のことに忙しいのだから、
自分とは何か、生きるとは何かという根源的な問いに向き合うことからは逃げられる。
「私は一人きりでブランド品を眺めつつ自己を深めているのよ」というなら止めないが、
ブランドを介して<つるむ>楽しさに浮き足だっているだけという気がしてならない。
同様に、仲のいい友達とのおしゃべりも、時間の浪費にしかなっていないケースがある。
もちろん、友達と楽しく過ごす、そのこと自体が人生の目的の一つにもなり得る。
大事な時間であることには私も異論がない。
しかし、おしゃべりをしている間に何かが成長するかというと難しい。
部屋で一人、音楽を聞きながらゆったりとリラックスして過ごすのは、
私にいわせれば孤独ではない。
音楽はその旋律に身をゆだねていればいいから、むしろ何も考えないですむ。
これは安楽というもので、受動的な行為だ。
現に脳科学の研究によれば、
音楽を聞いているときにはほとんど働いていないそうである。
つまり私の提案は、一人の時間をリラックスして過ごそう、
自分自身を癒そうという主張ではない。
もっと自分自身に向き合うような時間、
もしくは自分の技量を深めていく時間を持とう。
それこそ脳を真っ赤に燃え上がらせる知的活動のひとときは、
誰もが持つべき孤独なのだ。


何かを勉強しよう、学ぼうというときには、まず群れから離れて一人で立つ。
これが基本姿勢だ。
頭のよし悪しや、本をたくさん読んできたかどうかより、
単独者になれるかどうかが問われる。

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私もこれまで、敢えて、あるいは自然に「孤独」の時間を過ごしてきました。
そんな私にとって、この1冊は本当に納得できる内容でした。
私は「ひとりぼっち」に対する恐怖が、子供の頃からありませんでした。
自分にとって“害”となる交友関係は、必要ないと思っていました。
他人にどう思われようと、まずは自分自身が成長することが大切。
そんな勇気を与えてくれる1冊ではないでしょうか。

次回も、この本からご紹介したいと思います。




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Last Modified : 2016-02-17